1円起業とは?

ここでは、新会社法の特徴を、今までの制度と比較しながら、1円起業のメリットなどと一緒にご紹介します。
メリット
- (1)資本金が少なくても会社設立できる
- 一昔前までは株式会社なら1000万円、有限会社なら300万円用意しなければ、会社設立できませんでした。また、確認会社の制度を利用すると、5年以内に株式なら1000万円へ、有限なら300万円への増資が必要でした。
- 新会社法では、資本金の額は自由に決められます。いわゆる1円でもいいのです。もちろん、株式会社も、合同会社も、どちらも最低1円で大丈夫です。5年以内の増資の必要もなくなりました。
- このように「最低1円でもいい」ので、通称「1円起業」と呼ばれています。
- 資本金さえ用意できれば会社が創れたのに・・・とあきらめていた方も、会社が創れるようになったというわけです。
- (2)節税の効果
- 「個人事業主は1円会社ができない」と思ってあきらめている人もいます。 実際は多くの個人事業主が法人化しています。新会社法では、個人事業主の法人化に特に制限もなくなりました。
- ・消費税の免税特例(2年間)
- 今売上げが1000万円を超えている個人事業主の方は、だいぶメリットがあるのではないでしょうか。これから設立から2年間は、納めなくてもよくなります。このためには、資本金を1000万円以下にすることが必要です。
- ・自分の取り分(報酬)を経費計上することができる
- 個人事業ではこれができないため、このために1円起業したいという方も多くいます。ただし、役員報酬の額が1600万円を超えると、全額経費計上できなくなる場合もあります。しかし、これも方法があります。詳しくはご相談ください。
- この2つが節税効果としては大きいでしょう。他にも、個人事業と比較すれば様々な面で節税方法があります。
- (3)役員は1人でもいい
- 今までは、株式会社は、取締役3名、監査役1名の最低4名の役員が必要でした。新会社法では、取締役1名のみでも大丈夫です。監査役は入れても入れなくても大丈夫です。人数集めのために、無理に、家族、知人に頼まなくてもよくなりました。
- もちろん、合同会社も1人で設立できます。
- また、株式会社の役員の任期が最長10年にできるようになりました。今までは最長2年で、メンバーが変わっても変わらなくても、手続きが必要でした。その度に、印紙代1万円がかかりました。新会社法では、最長10年にできます。特に1人で始める方は、お得な制度です。
- (4)設立までの時間が短縮
- 今までは、通常会社なら資本金払込の保管証明書待ちで、1円会社なら経済産業局の通知書待ちがありました。それぞれおよそ1週間くらい待たされたりしていました。新会社法では、これがないため、この待ち時間が短縮できます。
- 当事務所では、目安を1週間としていますが、最短では1日でもあり得ます。ちなみに、今までの最短は2日でした。
- (5)金融機関の保管証明書が不要
- 今までは、設立手続の途中で金融機関に資本金の払込をしていました。この手続きの後、保管証明書というものが発行され、その後書類作成→登記となるわけです。しかし、どこでも簡単に引受けてくれるというものではなく、むしろ断られるケースのほうが多くありました。引受先の金融機関がないと会社設立はできません。せっかく資本金を用意したのに設立できない、あるいは金融機関を探すのに何件も回ってだいぶ時間も掛かるという人もいました。
- 新会社法では、資本金がいくらであっても、この作業が不要です。出資者の個人の通帳に振込みで行うことになりますので、手続は簡単です。その分、設立までの時間も短縮されました。
助成金や融資に不利にならないの?
- 助成金も融資も、国や自治体の制度がほとんどです。助成金では不利になることはありません。融資では、不利にはならないが、有利ではないという感じです。
- 資本金そのものよりも、助成金も融資も事前準備で大きく左右します。狙おうとしている種類の要件をよく確認して、準備をしてください。
デメリットはないの?
- ほとんどないと言えますが、「新会社法って何?」、「1円起業って何?」という人もいますので、そんな人が会社の謄本(履歴事項全部証明書)を見たときに、「この会社、資本金が少ないな」と思われることはあるでしょう。しかし、今や資本金がいくらだから信用できる、と言えるでしょうか?そんなことよりも、事業内容で勝負しましょう。
- 1つあるとすれば、許認可が必要な事業です。この許認可の要件の中に、「資本金いくら以上なければダメ」という業種もあります。詳しくは許認可とは?のページをご覧ください。
注意
- 確かに資本金1円からでも会社設立できますが、創業当初の経費は資本金から出ることになるので、当面の経費を計算して資本金を決める必要があります。
- 「資本金は、しばらく銀行に寝かせて、簡単に引き出せない」と勘違いしている人もいますが、実際は、設立手続の途中で振込みで入れた後、その日に引き出しても大丈夫です。
- また、やはり見栄えとしては、ある程度まとまった額のほうが、取引先などへの印象もいいでしょう。
- これを考えて資本金の額、出資者を決めましょう。


